日本財団への出願書類
日本財団聴覚障害者海外奨学金事業自由作文及び留学計画書
筑波大学大学院人間総合科学研究科
高山 亨太
私は、これまでにソーシャルワーカーとして高齢者福祉や精神障害者福祉などの分野に関わっていく中で、特に聴覚障害者の問題に関わってきました。しかし、聴覚障害の特性を踏まえた上での援助が適切になされていない現状や、また聴覚障害者に対応できる社会福祉専門職の養成が進んでいないといった社会福祉の現在の現状があることを痛感してきてきました。
更に近年、全国的に聴覚障害者に対応した高齢者福祉施設や身体障害者福祉施設の設立や運動が活発になっていますが、前述したように聴覚障害者に対応できる専門性を有した社会福祉専門職の養成が置き去りにされている状況があることも事実です。そのような中で、当事者の問題を捉える以前に聴覚障害者に関わる社会福祉を担うソーシャルワーカーやその他の専門職の養成における問題や課題があると考えるようになり、社会福祉士などの社会福祉関連国家資格を所有する聴覚障害者や、またそれらを目指す聴覚障害学生の情報交換や研修機会の確保などのためのネットワークを発足した経緯があります。そのことからも大学院にて、聴覚障害者に関わる社会福祉専門職の養成の問題や課題について研究を進めています。
しかしながら、今後の社会福祉専門職の養成や教育について、考えていくにあたって、これまでの日本における実践や研究のみでは、不十分な面があることから、アメリカの聴覚障害者福祉の現場及び高等教育における社会福祉専門職の養成や教育から示唆を得る必要があると強く考えています。
以上のような問題関心からアメリカにて重点的に学びたいことは、以下の点である。
1)聴覚障害者の為の大学であるギャローデット大学ソーシャルワークコースにおけるソーシャルワーカーの養成システムについて。
2)聴覚障害のある大学教員自身の学生や専門家への実際の教授法について。
3)聴覚障害者関連施設などの現場における専門家の現状や援助方法について。
4)アメリカにおける聴覚障害ソーシャルワーカー協会の活動や実践について。
更に帰国後は、聴覚障害者情報提供施設もしくは、大学などの社会福祉専門職養成機関や聴覚障害ソーシャルワーカー専門職能団体の活動を通じて、聴覚障害者に関わる社会福祉専門職の養成に関わっていきたい。特に全国に展開されている聴覚障害者関連施設における専門職養成や研修に重点を置いていきたいと考えています。また聴覚障害者福祉における先行研究や論文が皆無の状況からも研究成果としてアメリカでの経験、研究を踏まえた上で筑波大学大学院での聴覚障害者に関わる専門職の養成や教育に関する博士論文完成を進めていくことも重要であり、1つの目標であります。
今後の聴覚障害者の福祉向上には、現場での当事者への援助などといった実践と高度な社会福祉専門職養成・教育のバランスが重要であることから、これらを踏まえた上で実践的な研究を進めていくためにも日本財団聴覚障害者海外奨学金事業による留学を切実に希望しています。
以上